店舗インタビュー

昼網和膳穂の花

   

店主:上田 仁さん

なんだか店内が迷路のような…変わった造りのお店ですね。

店主:魚の棚の奥座敷、隠れ家的な空間をコンセプトに建築家にデザインしてもらいました。鮮魚店の巨大生簀(1階)の真上に店舗入り口(2階)があるため、どうしても階段や段差が多くて…。ご高齢のお客様が多いのですが、少しでも安全にご来店いただけるようにと、階段に滑り止めと手すりの工事を予定しています。

筆談ボードや点字メニューも置かれていますが、どのようなきっかけで?

店主:妻が、明石市内で飲食店を経営している友人から、明石市の助成制度のことをきいてきたことが直接のきっかけですが、実は、何年も前にあるボランティア団体の取材を受けたことがあって…。目が見えない方のために、タコ料理の紹介を音声で録音するという内容だったんです。その後、「テープ聞きましたよ」と実際に来店してくださった方が何人かいて、単純にすごく嬉しかったんです。その経験が大きかったのかもしれません。

当事者の方とのつながりを実感する素敵な出来事ですね。お話を伺ううちに、店内に何気なく飾られたアートや書が、常連のお客様たちの作品であることが判明。“実るほど頭を垂れる稲穂かな”穂の花という店名には、周りの方々への感謝の気持ちを忘れずにいたいという店主の気持ちが込められているそうです。穂の花のスタイリッシュで粋な空間は、お客様と店主のハートを結ぶ温かい場所でもあります。

(2018年6月21日 取材)