店舗インタビュー

林喜商店

   

店主:林祝雄さん

林喜商店さんは、明石市の『合理的配慮の提供を支援する助成制度』を利用して、店頭に筆談ボードや点字メニューを設置した第一号店舗です。お店にコミュニケーションツールをおいてみてどうですか。

店主:何年も前に、魚の棚商店街の各店舗に筆談の案内とメモ用紙を置くようにしたことがあったけど、メモ用紙を補充しないといけないから、今はもうどの店も置かなくなってしまって。2年前に明石市の助成制度で買ってもらった筆談ボードは、繰り返し使えるものだから、とても便利ですよ。市内の商店街にも広がっていくように、機会を見つけて紹介していきたいと思っています。

地域の取り組みにも熱心で、積極的に市政への協力も行っている林さん。お話をうかがう中で、そんな店主の人柄がしのばれるエピソードがありました。

店主:焼きあなごの注文は、地元のお客さんだけでなく、全国から発送の依頼が来るんですよ。贈られた人が気に入って、注文してくれたり。ずっと以前に、青森県のむつ市の会社から到着日指定の注文を受けたことがあってね。前日にあなごを焼いて、いざ発送の段になって最速でも明後日にしか荷物が着かないことが分かったんです。色々手段を考えてね…結局、寝台特急列車に乗って届けに行きました。

え、青森県まで!?先方もさぞかしびっくりされたのでは?そして、交通費がずいぶんかかったでしょうね…。

店主:信用の問題ですから、採算は言っていられません。寝台特急にも一度乗ってみたかったし、夢がかなったと思えば(笑)

気さくで、誠実な店主が、心を込めて焼き上げるあなごを、ぜひ食べてみたくなりました。

(2018年6月20日 取材)